土地建物の賃貸借

しばしば公正証書が利用される土地の定期賃貸借の類型として、①存続期間を50年以上として借地権を設定する契約、②専ら事業用の建物の所有を目的とする、存続期間30年以上50年未満の借地権設定契約、③専ら事業用の建物の所有を目的とする、存続期間10年以上30年未満の借地権設定契約があります。

このうち、①の場合は、契約の更新(更新の請求及び土地 の使用の継続によるものを含む。②の場合も同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに借地借家法第13条の規定による買取りの請求をしないことと定めることができるが、その特約は公正証書による等書面によってしなければならないとされ、また、②及び③の契約は、公正証書でしなければならないところ、②の場合は、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに借地借家法第13条の規定による買取りの請求をしないことと定めることができるとされ、また、③の場合は、そもそも、それらに関する借地借家法の規定(第3条から第8条まで、第13条及び第18条)は適用しないとされています。

建物についても、定期賃貸借契約をすることができますが、公正証書による等書面によって契約をすることが必要とされています(借地借家法第38条第1項)。なお、この場合、建物の賃貸人は、あらかじめ建物の賃借人に対し、契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならず、その説明がなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは無効となります(同条第2項、第3項)ので、注意を要します。公正証書作成に当たっては、当該説明書面を確認させていただくことがあります。