「尊厳死」とは、回復の見込みのない末期状態の患者に対し、生命維持治療を差し控え又は中止し、人間としての尊厳を保たせつつ、死を迎えさせることをいいます。そして、「尊厳死宣言公正証書」とは、嘱託人が自らの考えで尊厳死を望むこと(すなわち、延命措置を差し控え、中止する等)の宣言をし、公証人が直接本人の意思を確かめて、その結果を公正証書にするものです。
この公正証書を作成する意義は、末期状態となった段階では自己の治療方針についてもはや希望を表明できない本人に代わって、あらかじめこの公正証書を託された第三者により、尊厳死の意向を医療関係者らに伝えることができることにあります。