金銭の貸借については、金銭消費貸借契約を締結します。
一般の方にもイメージを抱きやすい契約の一つといえます。
契約の基本要素は、貸主と借主の間で、一定量の金銭を、いつ、どういう条件で借主が貸主へ返済するかを約束し、その約束のもとに、その金銭を貸主から借主へ貸し渡すというものです。
契約によっては、借主から間違いなく履行を受けるため、第三者を保証人に付する保証契約や、不動産上に抵当権を設定する等の担保権設定契約を合わせて結ぶこともあります。
この種の契約を公正証書によって作成する一番のメリットは、公正証書の中に、いわゆる強制執行認諾文言を盛り込むことにより、借主が債務を履行しない場合には、容易に強制執行に移行できるという点です。
すなわち、「金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書」で、「債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの」は、これに基づき、強制執行を行うことができるのです(民事執行法第22条第5号)。この点は、金銭消費貸借契約以外の契約についても、同様に当てはまります。